こんにちは。プロフィフティーン代表の kaneda です。
当社ではインフラ構築とサーバー移行を事業の柱の一つにしています。その中でも力を入れているのが、長く運用されてきたシステム、いわゆるレガシーシステムの運用と移行です。直近では、約20年動き続けてきた大規模なホスティングサービスの基盤移転を手がけました。
レガシーシステムを支える技術は、扱えるエンジニアが年々少なくなっています。当社がなぜそのような領域に対応できるのか、どのように進めるのかを一度まとめておこうと思います。
レガシーシステムを取り巻く状況
導入から年月が経ったシステムを使い続けている企業では、次のような課題を抱えているかと思います。
- 開発した担当者やベンダーがすでにいない
- OSやミドルウェアのサポート期限が迫っている
- 仕様書がない、あっても実態と合っていない
- Perlや旧バージョンのフレームワークを触れるエンジニアが社内にいない
それでも、システム自体は止められません。業務が乗っている、利用者がいる、作り直す予算も時間もない、替えの効かないシステムは想像以上に多く残っています。
一方で、古い技術を扱えるエンジニアは減っており、依頼先探しに苦労するという話も耳にします。そこで、当社がこの領域に対応できる理由を、順に書いていきます。
私たちが対応できる理由
大規模サービスを運用してきたメンバーがいる
当社には、月間1億PV規模の大規模ブログサービスの開発と運用に長く携わったメンバーが在籍しています。高負荷への対処、DDoS攻撃のやり過ごし方、CDNの使いどころ、限られたリソースの中で機能を残すか捨てるかの判断など、机上の話ではなく、実際のサービスを安定稼働させるために積んできた経験があります。
Perlをはじめとするレガシー技術を実務で扱ってきた
Perlは読める人が本当に少なくなりました。私たちは読み書きできるだけでなく、CGI時代の作法や旧フレームワークの癖といった、当時の設計慣習を知っています。古いコードの解読では、当時どう書くのが普通だったかという知識が効いてきます。古いコードには当時の判断が詰まっています。なぜそう書かれたのかを汲み取れれば、一見不可解な処理の意図も見えてきますし、移行の際にどこまで手を入れてよいかの見極めも速くなります。
アプリケーションとインフラの両方を見られる
サーバー移行はコードだけの話ではありません。DNS、ネットワーク、証明書、メール、監視まで含めて初めて移行は成立します。アプリケーションしか見られない、逆にインフラしか見られない体制だと、その境界で問題がこぼれ落ちます。私たちは両方を自社で見られる体制を組んでいます。
AIで既存構成のキャッチアップを速くする
ドキュメントのない古いコードを人力だけで読み解くのは、時間がかかりすぎます。私たちはここにAIを組み合わせる進め方をとっています。まずAIにコード全体を読ませて構成をまとめ、問題となり得る箇所を洗い出して深掘りします。その結果を、レガシー運用のノウハウを持つメンバーが査読し、方針を確定します。ちなみに解析にはClaude CodeとCodexを併用しています。一つのAIだと解析の視点が偏ることがあるためです。
ここで大事なのは、AIを使うこと自体は誰にでもできる、という点です。差が出るのは、AIの出した解析結果が正しいかどうかを判断できる人間がいるかどうかだと思っています。20年前のPerlの慣習を知らなければ、AIの読み違いには気づけません。レガシー運用の経験者がいるからこそ、AIとの協業が実際の強みとして機能します。
大規模サーバー移行の進め方
移行の相談で最初にやるべきことは、コードの書き換えではなく現状把握です。何のサーバーが動いていて、どんなジョブが走っていて、外部と何がつながっていて、誰が使っているのか。この棚卸しから始めます。
仕様書がないケースもザラにあります。その場合は、AIを駆使して、構成図やAPI仕様、管理画面の機能一覧、定期処理の一覧といったドキュメントを現物から起こします。
現状が見えたら、新環境のインフラ構成を設計します。あわせて、今のままでは新環境で動かない箇所、作り直しが必要な箇所を精査します。その後、実装やシステムの移行を実行し、切り替え後の監視や体制まで含めた運用計画を立てます。
また、この過程で、不要な機能や使っていない実装の仕分けもします。長く動いてきたシステムには、もう誰も使っていない機能が眠っているものです。このタイミングで整理することで、移行時の負担を軽減できます。
進め方としては、すべてを一度に切り替えるのではなく、段階を分けて進めることもあります。大きな変更を一度に重ねると、問題が起きたときに原因の切り分けが難しくなるためです。システムの構成や運用体制に合わせて、無理のない移行計画を立てます。
最後に
長く動いてきたシステムは、長年の積み重ねで複雑になっている上に、古い仕組みで作られているために改修が難しいケースが多いと思います。当社では、大規模サービスを運用してきた経験、レガシー技術の実務知識、AIと経験者を組み合わせた体制により、そうしたシステムの移行や運用を実現します。
なお、移行を急がず、まずは今の環境を安全に維持したいというご相談でも構いません。運用を引き継ぎながら、移行のタイミングを一緒に見極めるやり方もあります。
こうしたシステムの運用や移行に課題をお持ちの場合は、Webシステム開発やインフラ構築・サーバー移行のページをご覧の上、お気軽にご相談ください。